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Doki Doki⛔️one way love〜一方通行の恋

第11章 11



あの日以来、さゆりさんは時々お菓子持参でコーヒーを飲みに来るようになっていた

食い意地の張っている雛はさゆりの持参したお菓子の誘惑に勝てず、今日も部屋へ入れてしまった

「なに… これっ」

なんと、今日さゆりさんが持参したのはランジェリーだった

「あの、さゆりさん、これはちょっと…」

「あなたねっ、そんなこと言ってたら、今に浮気されちゃうんだからっ」

「……」

浮気もなにも二人にはまだ何も起こっていないのである

「いいこと? 雛ちゃん、あれだけのいい男を世間の女性達が黙って放っておくはずが無いのよっ、略奪されてもいいの?」

そういうあんたも狙ってたくせによく言う

略奪も何もまだ雛の手に入ってもいないのだから

「ここは私に任せて勇気を出して攻めるのよっ」

「いやぁ、流石にこれは…」

「何 言ってるのっ、今時これくらい… 処女じゃあるまいしっ」

!!!
「って… え? あなた、まさか…」

「…いやいや、違いますって」

「そう、そうだったの… あなた達、まだなのね? それで分かったわ、あなた達が何処かぎこちない感じで余所余所しい理由が… それにしても駿さんは何を考えているのかしらね、一緒に住んで、ましてや婚約までしてるっていうのにまだ手も出してないなんておかしいわよ」

「そ、そうかなぁ、おかしいかなぁ」

「そうよー、男女が同居したら取り敢えずなるようになるものよ… 見たところ草食系男子って感じでも無いし いいえ、どちらかと言えば肉食系よね、あれは… 好きな女に手も出さないなんておかしいわ」

さゆりさんは真面目な顔で頷くと声を潜めて雛に近づく

「もしかして…」


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