
Doki Doki⛔️one way love〜一方通行の恋
第5章 5
「ひっ…」
壁ドンには違いなかった
違いないが、身長差があり過ぎる上に色気も何も無い、どうにも不恰好な壁ドンである
「今の、誰?」
「今の、はい、今のはですね、下のフロアの速水さんと言う方で… お友達です」
「ふぅん… お前、何で友達に俺のこと同じフロアの人なんて紹介したの?」
「いや、あれはですね、その、係長が誰にも言うなと仰ったのでマズイかな、と思って咄嗟にですね」
「お前… 鈍臭い割にああいう時は機転が利くのな」
「鈍臭い、って失礼ですよ、係長」
「事実だろ」
「あのう、他に用がなければ私はこれで…」
「あ、ああ…」
駿と目が合わないよう俯いたまま何とかやり過ごすと、雛はそそくさと自室に逃げ込んだ
あー、びっくりしたー
カツアゲでもされるのかと思ったょ
係長急にどうしたんだろう… それにしても失礼な奴だょ
人のこと、鈍臭い、ってさ
駿はシャワーを浴びた後、しばらくリビングに居たようたが、自室に入った気配を見計らって雛は急いでバスルームでシャワーを浴びた
♫♫♫♫♫♫♫
___はいはーい、雛でーす
___雛ちゃん
___はーい、速水さん、今日はありがとうございましたぁ
___どういたしまして
___あの、どうかしましたか?
___いや、あの、さ、雛ちゃん、休みの日はいつも何してるのかな、食事でもどうかな、と思って
___食事、ですか
___そう、雛ちゃん、まだ引っ越して来たばかりでしょ、俺、この辺少しは詳しいから
食事というワードに脳内センサーが敏感に反応する雛であった
