
1人じゃなくて。
第7章 No.7
「お祖母ちゃんっ………う…ぇ、ふぅ……っ…」
『奈瑠ちゃん』
突然声をかけられました。
そこには、お葬式だというのに…
満面の笑みの男の人がいました。
「だ、…れですか…」
見たことのない顔で、私のことを知っているようでした。
『これからどうするの?』
「………解りません」
本当に解らなくて…先のことも頭に思い浮かびませんでした。
『それじゃあ"うち"においでよ。』
うち…?
『妻も子供もいるけど、きっと良くしてあげられると思うんだ。』
「や………いいです…」
俯きながらも答えました。
どうしてだろう…
受け入れたら、帰る所も出来るのに…
でも、なんだか嫌でした。
「なんとか……なりますからっ…」
何も返ってはきませんでした。
なので
顔を上げました。
『他の家はもう引き取ってもらえないよ。』
さっきとは違い、まるで無表情のような
笑顔がありました。
そこからが私の地獄の始まりでした。
