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1人じゃなくて。

第3章 No.3



「………え?」

奈瑠は既に手当てが終わった手で、要の頬に触れた。


「……………あ、……あぁ………(バッ)ごめんなさい!」

しかし、触れたと思った手は音速で離れた。
顔を真っ赤にした奈瑠は、自分の行動に後悔する。

「…ごめんなさい……」
チラッと要を見ると、微笑んでいた。これでもか、というくらい甘い表情でその笑顔は朝日に照らされていた。

「俺の事は気にすんな。…今は無理に話さなくていい。……まぁ、もうそろそろ騒がしくなるから。驚きすぎて、忘れんなよ?」


心臓をうるさく鳴らしている奈瑠の頭を、ポンポンと撫でながら、要は救急箱を持って部屋を後にした。

その行動によって、奈瑠が更に真っ赤になった事を要は見た。



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