
1人じゃなくて。
第3章 No.3
午前8時
奈瑠はずっと考えていた。要が私を救ってくれた。優しくしてくれた。それが何年ぶりかの経験で、顔が火照って仕方がない。
「熱い………」
やっぱり、自分の事は全て話そう。引かれても構わない、イチかバチかでここに住まして貰えるよう頼もう。
「私には帰る場所がないんだ…。」
そう心に決めた時、今日三度目のノックが鳴る。
「大丈夫か?ちょっと色々用意してほし…(ドカッ)」
要は前にバランスを崩して、倒れた。
ぶつかってきた…人によって。
「おはよ―!君が奈瑠ちゃん?可愛い!」
