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その場でタケシさんたちと分かれて、私と大野さんはコンビニに向かって路地を進んだ。

「さみーな。」

大野さんは、ジャンパーの襟を寄せた。

「京都で、こんな夜に出歩くなんて美大の頃以来だな。」

私は、大野さんの後ろを歩く。

月明かりに大野さんの明るい色の髪が揺れる。

ジャンパーのポケットに手を突っ込んで歩く背中。

丸い背中。

時折、左右の景色に目をやる横顔。

東京から来る時につけていた香水の香りはなくて、お風呂上がりの石鹸のにおいがただよう。

私は、黙って大野さんの後ろを歩いた。