
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
「そうよ!あんたたちが勝手に好意を伝えてベタベタしてるから、
ほかの女の子たちに嫌がらせされたに違いないわ!!
…ナミが普段どれだけのミスを仕事でするのかは知らないけど、私に電話してきたときは半泣きだったんだから…
…ねぇ、仕事のミスは本当にナミがしたもの?スーツだってあったのよ、オフィスに。
…着られない状態だったらしいけど」
話しながら私も辛くなってきていた。それは多分、正面の2人も同じで。
端正な顔を歪めて、きっと自分たちを責めている。
(普通の上司と同僚ならこんなこと願わないけど、ナミのことを少なからず想ってくれているなら……)
「傍にいるなら、気づいてあげてよ…
あの子が強がって何も言わないのなんて、日常茶飯事じゃない…
それにも気づけない程度の気持ちなら、中途半端にナミに近づかないで」
…なんて言って、気づいてあげられなかったのは私も同じだけど――
