
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
「…諦められない」
さっきまでの笑顔と余裕はどこへやら、岡崎さんは弱気な声でそう言った。
「幸村が我慢していたことにも気づけないなんて最低だと思うが、
もう元には戻れないんだ。俺が原因なら俺が始末をつける。
もう幸村の泣き顔は見たくない」
「俺だって同じです」
即座に言った川端はきつく拳を握りしめていた。
「俺なんて隣にいたのに…調子のってアイツのこと追い詰めてた。
迷惑だって思われたって、アイツのことは守ります」
あぁ、ナミ。あんたの周りにはこれだけ思ってくれる人がいるんだよ。だから弱さを見せても大丈夫だよ。
