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誰かお願いつかまえて

第9章 女たちの戦い



男2人の睨み合いにため息が出てくる……


「…どっちもどっちってことですよ。

あなたたちによってナミが救われた部分がないとは言いませんけど、迷惑している部分だってあるんです。

………少なくとも今とか…」


迷惑している、という言葉にと2人の表情が驚愕、そして絶望へと変わっていく。


(やっぱり気づいてなかったか……

ていうか、2人とも息ぴったりだし!…なんか面白いな)


ついもう少しいじめたくなったけど、我慢して私は考えた。


(ナミの事情を話すべきだろうか……どうせこの2人に迷惑をかけまいと本人が話してないんだろうから、
私も黙っておくべきか…)


「…柚原さんっ!」


唐突に川端が口を開いた。敬語抜けないなぁ、こいつ。


「あの……幸村、何が嫌だって言ってました?柚原さんなら何か聞いてるんじゃないですか?」


…えっと、自分で考える気は無いのかな?



「そう言われてみれば……」


お、さすが年長者!気づいたか!?



「最近仕事のミスが目立つな。あと気が立ってる、か?この前も大したことないことで川端にキレてたし。

何かあるとは思っていたが……」



……落ち着け。落ち着くんだ私。


「まさか……好きな人ができたとか!?」

「なんだと!?いや、流石にそれは――――」



「ありえない!!!!!」



迷走しかしない男2人につい怒鳴ってしまった。






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