
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
「ゆ、柚原さん!」
止めに入ろうとした川端をひと睨みして座らせると、岡崎さんの方が私の手をとって、
やんわりとネクタイから外した。
相変わらず、ニコニコしたままだ。
(ふぅん、あくまで紳士的にいこうってわけ?
読めないやつだな…)
「いいでしょう、そこまで仰るなら、付き合いますよ?」
「…ご協力感謝いたしますわ。
――ミカちゃん、ナミのメイクよろしく」
「人遣い荒すぎですよ、ユズさん」
この状況を面白そうに眺めていたミカちゃんを追い出した。
「それで?幸村のご友人が一体何の用で?」
「岡崎さん、言い方気をつけてください!この人は―――」
「うるさい、川端」
「……」
この人は、の続きを聞いてみたかった気もしたけど、今回はそれどころじゃないし。
「…川端とは知り合いなんですか?」
「まぁ、1度しか話したことないですけどね。
…私が聞きたいのは、あなた方が波香のことを どう思ってどう接してきたか、それだけです」
ナミの名前を出すと、2人とも表情を変えた。
(……私が思ってたよりもちゃんと考えてる、のかな?)
