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誰かお願いつかまえて

第9章 女たちの戦い



ガチャ


ドアを開けるとビクッと振り向いた男と、ニコニコ笑っている男。

2人ともタイプは違えど女性なら誰でも飛びつくに違いないイケメンだ。


(まったく、よくナミはこの2人の間で仕事なんかできるわよね…)



「柚原さん、ですか?」


岡崎さん、の方が人あたりのいい笑顔を向けてくる。

…苦手だな、こういう人。っていうか、川端は警戒しすぎだし。

私、この前そんなに怖い事言ったっけ?


「はい、お待たせして申し訳ありません。どうぞお掛けになってください。」


努めて冷静に、私が席を進めると


「お気遣いありがとうございます。しかし、我々は急ぎの用があるのでお構いなく」


ニコニコと躱しやがった!

ローテーブルを挟んで岡崎って人の正面にいた私は距離を詰めて、その高そうなネクタイを引っ張った。



「座れって…言ってんですけど、"岡崎さん" ?」



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