
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
「……はぁ、分かったわよ。
すぐに用意してあげるから、来て。
ナミの読み通り、あんたの客の隣のビルで撮影中だから」
『ほんとに!?ありがとう!今から向かうから!』
「了解。入口で待ってるわ」
『うん……ユズ、ありがとうね』
なんだかんだと言われるけど、いつも助けてくれるのはユズだ。
「……未来の編集長は器がでかいのよ。
それに、作れるだけコネでも作っとかないとね…
あんまり慌てて事故にあったりしないでよ?」
『ふふ、大丈夫!岡崎さんも川端も一緒だから!!』
「……………そう。お茶でも出すから上がるように言っておいてね?」
『うん!ありがとう!』
……なんて、言われたことなんて着いたと同時に走り出した私は当然忘れていたんだけど―――
