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sugar-holic

第27章 お別れ

その言い方にカチンとした。

いくらセフレだって言っても、情とか湧かないの?

あの時の史華さんは、イヤミ言いながらにしても、倉田くんを心配していたのには間違いないと思うのに。

ふう、と息を吐くと、手元の入力に集中する。

ダメだ。多分、倉田くんに何言っても無駄だ。

「手伝います」

「いい。もう終わるから」

事務的に返事をすると、入力を終えて保存をかける。

手元の資料をまとめて、クリアファイルに挟み込むと、机の引き出しに放り込んだ。

「何を怒ってるんです?」

「私が?」

呆れたような倉田くんの口調に、眉を寄せた。

怒ってるのは私じゃなくて、そっちでしょ!?

「怒ってない。怒らなきゃならないことも起きてないし」

「そうですか?」

…だから。疑問符で返すの、やめれば?

「プロジェクト絡みで残ってるなら、俺の仕事でもありますから」

「もう終わりました」

何か言いたげな倉田くんを尻目に、パソコンをシャットダウンして、電源を落とした。

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