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サバイバルヘルパー

第4章 小梅の本気惚け

 雨は勢いを増す。


 木の下で雨宿りをしていたが、やがては雨漏りをし、狙ってきたかのようにつむじに落ちてくる。


 一点に集中して落ちてこられると、イライラする。


 そうだ、傘があった!!



 だが昨日、分解してかまどになった。


「ああーっ!! おバカさんよ!! てか、こんなの続いたらヤベェな。体が冷えるし、気がおかしくなる」


 さっきまで気持ちよかった雨が、ゲリラ豪雨化してきている。


 仰向けに寝転んで、目を閉じ、耳をふさいで口を開け、雨がたまったらゴックンと飲み干しといたため、喉の潤いは充分。


 本当なら煮沸消毒くらいはしたかったが、やむを得ずだ。


 すでに、鍋には溢れるほどの水が溜まっている。


 どうしよう。


 泳いでみるか。


 なにもすることがないと、こんなわけのわからないことも考えてしまう。


「婆さん、どこ行ったんだよ」


 どこを向いても、斜めに線がひかれるような雨。


 出歩くのは控えたほうがいい。


 雨にしか気を向けていなかったが、よく見れば波も荒くなってきている。


 ここまで、デモ隊のように押し寄せてこないか心配になった。




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