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サバイバルヘルパー

第9章 いかだ

 徐々に燃え広がり、炎が上がった。


「よっし!! やった!!」


 この島に来て、火を起こすことに苦労をしたことを思い出した。最初はペットボトルの底を使って、太陽の光を集めて火を起こした。


「こう考えると、マッチなんて、すごい先の文明利器になるんだな」


 俊輔は松ヤニをつけた薪に火を移した。


 それを明かりに、もう一度旅館の中に入った。


 確かめるのは俊輔が開けた扉の場所。


 見ると部屋の扉と、色が違う。


 部屋の扉は木目調だが、この扉は白い。


 問題はこの中だ。


 照らして見ると、なにか機械のようなものが置いてある。


「なんだこれ?」


 だが、それはすぐにわかった。


 扉の裏になにか貼ってある。


「発電……使い……ぱり、……を字が消えてんじゃん。発電、発電機か。て、ことは、蓄電機もあったんだろうな……なるほど」


 俊輔はわかった。


 電気がついたのは、蓄電機に残った電力が流れ出たからである。


 しかも、ここに燻製を作りに来た時、電気をつけっぱなしにして、朝まですごした。そのため、電気が切れてしまった。



 だが、もうここで電気がつくことはない。発電機の使い方がわからないからだ。


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