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サバイバルヘルパー

第9章 いかだ

 だが、丸太や竹や木材を集めるだけ集めただけで、かなり疲れた。


 煮豚と燻製で腹を満たし、使えそうなものを、なんでもかんでも揃えたのはいいが、そこから先の工程をなにから始めていいのか、わからなかった。


「ん〜、まず、いかだの大きさをどうするかだな……どうしようか、婆さん」


 小梅に聞いてみた。


「寝室とお風呂がほしい」


 聞いたのが間違いだった。


 そんな2LDKのいかだなんて、作れるか!


 だが、一瞬だけ、面白いとは思った。


「そうだよなぁ……快適なものがいいよなぁ。長旅になるかもしれないんだからなぁ」


 一番怖いのは、航海中にバラけてしまうことだ。


 崩れない頑丈なものを作らなければ……。


「……明日から作ろうか」


 今日はもういい。


 とりあえず、腹ごしらえをしてから、ゆっくり休もう。


 鍋には常に火にかけている骨付き煮豚がある。中には貝の出汁が味を引き立て、トロトロの豚骨スープが出来ている。


「暑いけど、これが美味いんだよ。婆さん飲むか?」


「変な匂い」


「まあ、クセあるわな……」



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