テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第9章 いかだ

 材料集めだけで、二日ほどを費やした。


 手帳にボールペンで簡単に、イメージを書きなぐる。


「周りに囲いを作った方がいいな。多少の揺れでも海に落ちないように……雨避けに屋根を設けたいよなぁ。あと、オールも必要だし……作れるかなぁ?」


 仕上がりのイメージは、いかだと言うより、船だ。


 だが、この大海原を航海するなら、安全なものに仕上げたい。


 二人の命を預ける、大事ないかだ。


 万が一のことも考えなきゃならない。


「やることいっぱいだな。俺に出来るかなぁ……でも、やってかなきゃなぁ……いつまでもここにいるわけには、いかないもんなぁ。まだまだ、材料はいるな」


 俊輔は、廃屋となった家に向かった。


 手に入れたのは、木の扉を持ってきた。


「まず、土台をしっかりさせなきゃな。弁当箱みたいに縁を作るんだから、水が入ってきたらアウトなんだよ。水が入らないような工夫がいるよな」


 だが、島にあるもので出来るのだろうか?


 そんな知識など、皆無の男。


 全てが未知の世界だ。


 なんの予備知識なしで、ぶっつけ本番。


 小梅はそんな男に、命を預けることになる。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ