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未知夢

第16章 変貌

「ヒ……ヒィィ……」


 よく見ると綾子の首に、なにかヒモ状なもで、絞めた跡がある。


 絞殺されたのだ。


 いや、絞殺してしまったかもしれない。


 深い悲しみと恐怖がドンと湧き出した。


 繁はブルブルと震えながら、両手を眺める。


「ああああぁぁぁぁーーーー!!!!」


 繁はグシャグシャと頭をかきむしる。


「嘘だろ嘘だろ嘘だろ、おい返事しろよ、綾子ちゃん綾子ちゃん……待てよ……生きたじゃないか……助かったじゃないか……おい、返事しろよ、目を覚まそうよ……」


 繁は狂ったように綾子の体を揺さぶる。


 だが、グラグラと体が揺れるだけでなんの反応も起こさない。


 鼻を摘まみ口を合わせ息を吹き込む。何度も何度も……。


 やったことの無い心臓マッサージも試みた。


 肋骨が折れんばかりに押し続ける。


「帰ってこいよ……帰ってこいよ……頼む」


 涙と鼻水でグシャグシャになりながら語りかける。


 僅かな望みさえ残ってない。そんな事をわかっていながら……。




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