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未知夢

第16章 変貌

 ついにはガシッと鷲掴みにした。


「あああぁ……」


 必死に応援していたあの頃を思い出す。


 写真集も3冊買った。


 もちろんその内1冊は別のことにつかっていた。


 違う意味で随分とお世話にもなった。


「あれ?」


 繁は何かしら違和感を感じた。


「綾子ちゃん」


 寝ているのか、声をかけても反応しない。


 繁が感じた違和感。異常に冷たかった。


 冷房が入っているからだろうか?


 繁は体を揺さぶってみた。


「綾子ちゃん、綾子ちゃん!! 起きて!!」


 だが、ピクリともしない。


「なに……どうしたんだ?」


 繁は綾子の右手をとり、親指の下を探る。


「嘘だ……」


 脈がない。


「おい……おい……」


 綾子は……


「綾子……ちゃん……」


 亡くなっていた。



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