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未知夢

第16章 変貌

 繁の見ている目の前で、繁がパトカーに乗せられ連行されている。


 亀代おばちゃんが心配そうに近寄っているのも見える。


「あの日と一緒じゃねぇか……」


 パトカーと入れ代わりに綾子が帰ってきた。


 ビニール袋を下げていることから、コンビニにでも買い物に行ってたのだろう。


「綾子さん……」と、繁が声をかけた。


「あ、繁さん……なにしてんの? 朝ごはん買ってきたよ」


 ここの繁と間違えている様子。


「いや……俺は……」


「早く……食べよ!」


 一瞬だが、ドキッとした。考えたら、自分の世界では綾子は死んでいて、このように自分の部屋に来ることなんてなかった。


 それが、森屋との繋がりで、こんな風に接近が可能となった。もっとも、あの未知夢を見ていなければこんな夢の現実を体験していないのだ。


 そうだ、このままこの世界の繁になろう。本人は逮捕されてるんだし……。



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