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未知夢

第15章 隠人

 私は大森をかばったがために、もう1人の私に腹を刺された。


 刺した私は、私を大森だと思ったのか、何度も刺してきた。←



「長いな……どこまで続くんだ?」と、繁は頭をかきながらながめる。




→思い出せなかった記憶が蘇る。


 そうだ。


 たしかにあの時、私は大森を何度も刺したんだ。
急に憎くなって刺したんだ。


 大森は抵抗して、最初は揉みくちゃになって暴れたが、2人で殺したんだ。


 結局は殺し切れてなかったんだろう。大森にダイイングメッセージを残す力だけを与えてしまっていた。


 もう1人の私は、とにかく早く逃げようとした。証拠も何もかも残したままだった。


 この世界に入り込んできた、自分に罪をきせようとした。


 もう1人の私に担がれて、タクシーで帰った。


 血で濡れた私の手を、濡れたハンカチで拭いてくれている。私は、たしかに隣のおばちゃんの部屋を開けようとしてた。それだけ酔ってたんだ。



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