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未知夢

第15章 隠人

 おそらく自分の世界、もう1人の私が顔に傷をつけ泥水で化膿させ、顔を変えて自首した。


 私が私を守ったんだ。



 だが、現実はそれの繰り返し。ここで止めなきゃ……ここで。





 数年前、私は時を感じないことが度々あった。デジャヴュのように同じようなことがよくおこった。


 私にはそんな特殊能力があったのだろう。それがこんな悲劇を起こしたんだ。


 早く意識が遠退いてくれ。痛くてたまらない。


 夢……そうだよ、夢であってくれ。



 コメント※※※





 すべて読み終えた。


 繁はハッとした。いま、読んでいたのかどうかがわからなかった。


 まるでその物語の中にいたような気分になる。


 なんて結末の日記だ。これはなんなんだ?


 これを書いた人は、冷静になって書いたに違いないと思った。


 事が事なだけに、冷静になっても、上手く書き表せていない。伝わりにくい。もし、 自分が書くならば、どう信じてもらえるように書くだろうか? 


 繁はそう考えながら、うつぶせた。



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