テキストサイズ

未知夢

第13章 真相

 繁はムキになりながら鍵を押し付け、さらにガチャガチャとドアのぶを回す。


「なんで、開かないの! もう!」


 すると、部屋の中から声がした。


「ちょっと! ここ隣やで!」


 亀代おばちゃんの声だ。


 何気に部屋番号に目を向けた。


「……」


 たしかに隣の部屋だった。


「ヤバッ! 違うわ!! ここ、おばちゃんの部屋じゃん!!」


 繁の部屋の隣、亀代おばちゃんの部屋だった。


 慌てて自分の部屋の鍵を開け、逃げるように入っていった。


「あぶねぇ……下手すりゃ不審者変質者扱いだよ……」


 部屋の電気をつけると、敷きっぱなしの布団に寝転んだ。


「ふぅ〜〜、やっと落ち着けるわ。なんだかんだ訳わからんことばかりおきやがってチクショー!! 金も少なくなったし」と、ポケットにある100万円に手を触れる。


「アハッ! やっぱりある……イヒヒヒ」


 ポケットにあるこの厚みに、思わず恍惚の笑みを浮かべる。


 だが、ある一点を見つめただけで我に帰った。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ