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未知夢

第13章 真相

 繁はマンションの屋上で起こったことを、今、鮮明に思い出した。


「結局……助けたのか? て、事は高円寺綾は、まだ、生きてる? 本当かよ」


 半信半疑ながらも繁は階段を上がって行った。


「ダメだ……頭が吹奏楽だ」


 訳がわからなくなってきていた。考えられないことが立て続けに起こって精神的にも肉体的にもボロボロだった。


 ただ、ポケットに詰め込んでいた100万円を見れば我に戻る。


「はぁ、しばらくこれでやってける」


 ホッと胸を撫で下ろし部屋に入ろうとする。


〔待て待て〕


 心の声だ。


「またかよ……なんか頻繁に出てくるよな」



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