
未知夢
第12章 好機
「俺が、あんたの仇を取ってやる。あんたがこれからどうするかは、自分次第。いま、この先からあんたの選択次第で、運命が変わる。好機にするか否か2つに1つ。俺はあんたの父親の代わりにこの腕を掴んだ。ここからこの柵を挟んでこっち側と向こう側、あんたのこれからの世界が変わる。さあ、どっちだ?」
繁は綾子の腕をしっかりと掴む。
綾子は涙ながらその柵をジッと見つめた。後ろを見れば広く果てしなく続く街並みが見える。
一歩、足を出せば、その街に届く。だが、そうすれば二度と、自分の目で見ることのない、街になる。
繁の頭の中にあの声が響く。
〔どうやっても一度起きた過去は覆らない。何度も見ただろ。この女は死ぬんだ。お前も愛想が尽きただろ!!〕
繁は綾子の腕をしっかりと掴む。
綾子は涙ながらその柵をジッと見つめた。後ろを見れば広く果てしなく続く街並みが見える。
一歩、足を出せば、その街に届く。だが、そうすれば二度と、自分の目で見ることのない、街になる。
繁の頭の中にあの声が響く。
〔どうやっても一度起きた過去は覆らない。何度も見ただろ。この女は死ぬんだ。お前も愛想が尽きただろ!!〕
