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未知夢

第12章 好機

「なにしに来たんだ!! この人でなし!!」


 隆夫は繁を指差して責めた。繁は笑みを浮かべる。


「そうするしかないだろ。それに、真実は本人に連絡して聞けばいいじゃないか。嘘か本当か? 綾さん、森屋の連絡先は知ってるだろ? 確認すればいい。そして訴えましょう。このままじゃ納得いかないですよね」


「私はてっきり噂が報じられて、2度ほどお会いした桜石さんだと思ってたんですが……」


「やつは見た目は誠実に見えます。けど、女性関係に関しては下が緩い男です。僕が聞いた話では四〜五人ほど孕ませてます。ゴムを使うことを頑なに断るやつでしたから……(嘘)」


「そんな男に……」


 隆夫はギュッと拳を握る。怒りに手が震え出す。


「とにかく、綾さんのお父さん。まずは一刻も早くそのお金をサラ金に払って、すべてをスッキリさせるべきです。後は僕に任せてくれませんか?」


「いや、あんただから任せにくいんだよ」


 もっともだ。



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