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未知夢

第12章 好機

「森屋はたしか大学1年の時から付き合っていた沖野由佳里ってのと結婚したはず」


「沖野……」


 綾子は記憶をたどり、沖野由佳里の名前を探る。だが、思い当たる名前ではなかった。


「嘘!! 隆弘は誰とも付き合ってないって言ってた」


「綾さん、あんたはどこで森屋と会った?」と、繁は探偵口調で言った。


「……」


 綾子は再び記憶の糸を探る。


「確か……昨年、私の写真集の発売のサイン会に来てくれたの。次に久しぶりに学校に来たら、彼と会って……」


「俺は昔その写真集買ったけど、バイトでサイン会には行けなかったんだ……」


「私は仕事が忙しすぎて学校に行けないから中退したの。でも、彼はいつもいてくれて……」


「いや、その時点ですでに彼女がいたんだよ!! あいつに騙されてんだ。今年になって結婚もしてるし……あんた遊ばれてるよ」


 綾子の表情が暗くなる。



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