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未知夢

第12章 好機

「夢だったら……あのお金は戻ってくるよな……」等と、やや悔い残る思いが胸をつまらせる。


「な……なんだって!!」


 急に隆夫の荒ぶる声が耳にきた。


「え?」


 自分があれこれ思っている間に、何か話が進んでいたようだ。


「お前、桜石くんと、この間食事に行っただろ」


「だから……彼は本当に友達であって、私のお腹にいるのは違う人の子なの。だから、私はその人と結婚する」


 繁は頭が真っ白になった。


 高円寺綾妊娠説!!


 確か、当時にその様な報道もされていた。


 まさかの事実だった!?


 繁は床に手を付きながら嘆いた。


 綾子と隆夫は、なぜこの男が嘆いているのかはわからない。



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