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未知夢

第12章 好機

「あんた、誰なんだ? 何しにここにいる?」


 この男、確か名前が高円寺のはず。やはり、高円寺綾と関係があるのだろうか?


 繁はそう考えると、男に向かってビシッと人差し指を突き付けた。


「待ったぁーーッ!! あんた、あのアパートにいたおっさんだろ!! 俺はあの時はただの私服セールスマンだった」


「そのセールスマンがなんの用だ!!」


「セールスのために来たわけじゃない。あんた、この高円寺綾さんとどんな関係なんだ」


「そんなことを聞いてどうする?」


「親子で使えるお得な保険のプランがあるんだ!!」


 自分で何を言ってるかわからなかった。


 まともな展開を進めることが出来ない繁は、下らない性の自分に悲しみを覚えていた。



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