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ネムリヒメ.

第16章 散らばるカケラ.




「だらか、ムリにとは言ってないって♪出来ればって話」


聖くんがテーブルに肘をつきながら微笑む


「それに、手荒なコトはしないし…ちょっとしたきっかけを作るだけ」


きっかけって…

すると彼はアタシの顔を覗きこむ


「…恐い?」


あ……


「あ、えっと……」

「大丈夫、なにかあったらオレが抱いて寝てあげるから」


「「ふざけんな…」」


おお…

渚くんと葵くんの声が綺麗にハモった


「あはっ♪ …なんか恐い人たちがいるから3割は冗談として…」


7割本気…

でも…


「………ちょっとだけ不安」

「うん、素直でよろしい」


だって忘れるくらいのなにかがあったんだよね!?

こうして命はあるわけだから無事なコトには変わりないけれど

どんなコトかなんて想像できないし、もしかしたらなんてことないコトかもしれない…


って…ビビり過ぎ!?

でもこのままじゃなんの埒もあかないし

ずっと思い出せないままかも


でもやっぱり…


「あはっ♪そんな百面相しなくても大丈夫だよ、ちーちゃん」

「え…!?」


顔をあげると、読心術持ってるんだからねー…と言わんばかりの聖くんが悪戯っぽく微笑んでいた





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