テキストサイズ

凍夜

第5章 渇望


二人並んで立ったラブホテルの自動ドアは想像より重くゆっくりと開いた。

私はマサシに腰を抱かれフロントでキーを受け取りエレベーターに乗った。

「……。」

沈黙だけが私達の行方を知っているような気がした。

部屋のドアを開けると貝殻の形のベッドが口を開けて待っていた。

浴室はガラス張りで中が丸見えだった。


でも私にとってその光景はそんなに驚くことでもなかった。
ダイアモンドに関わる者としてはもう免疫ができていた。

重大なことは好きな人と初めてラブホテルに入るという事実だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ