
凍夜
第5章 渇望
訪ねたユキの部屋は、まるで強盗でも入ったかのように荒らされていた。
その中でユキのママらしい女が、警察に事情を報告していた。
制服を着た警官が、「君らが、友人?」と振り返った。
「僕ら、北海道警察です。早川ユキさんのこと、わかること何でも教えて欲しい。」
「名前教えてくれるかな?」
「俺は須藤マサシ、今日、ユキさんのお母様より連絡を受けて、苗穂駅の人身事故を確認してきました。ユキさんじゃありませんでした。」
「うん、違ったね、確かに……。お母様は早とちりしたようでね、一人で悩んでいらして、つい先程だよ僕らに連絡をくれたのは。」
「まだ、見つからないんですか?」
