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凍夜

第2章 恥辱



闇を舞う蛾がパタパタと、灯りを求めてさ迷うように。


幼い一匹の蛾は傷を負っていた。



蛾は渾身の思いで、灯りに向かって飛び込んだ。



夜も眠らない町、札幌。



私が、足を踏み入れたのは、コインランドリーだった。自動ドアが開いた時、中にいた沢山の大人の男達が、一斉に振り返り私を見た。尋常ではない私の姿を見たせいなのか、どよめきが起こった。

直ぐに、その中から一人のおじさんが出てくると、私に近寄ってニッコリ笑った。



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