
凍夜
第2章 恥辱
白いワイシャツに糊がパリッと効いていて、その地黒な肌によく映えていた。
髪はオールバックに撫で付けられていて、腕やら首やら貴金属で光っていた。一見怖そうな風貌をしていたけれど、笑顔がとても優しかった。
「おぅ。おじさんとメシ食いに行こか?!」
おじさんは、そう言って、私に手を差し出した。指には大きなシルバーの指輪をはめていた。私は、おずおずとおじさんの手に触れた。
「よし、行こか?」
おじさんは私の手をぎゅっと握りしめ、他の男達に、「おつかれ、後頼むな!」と声をかけた。「お疲れ様です!」皆が声を揃えて頭を下げた。
コインランドリーを出た所で、おじさんはタクシーに手を挙げ止めた。
乗るように促され、私は、おじさんと一緒に後ろの座席に乗り込んだ。
