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conqueror

第1章 初日

歩くたびに、ローターの当たる角度が、少しずつ変わって、新たな刺激がうまれる。

駅の改札口は、たくさんの人で、騒々しいせいか、音は思っていたよりも、気にはならない。

だから、普通に歩いていれば、気づかれないだろうと思う。

だけど、体を真っ直ぐに伸ばすことができない。

その小さなローターが、私の体を刺激し続ける。

カバンから定期を取り出し、改札口を抜ける。

駅員と一瞬、目が合う。

私は直ぐに目を逸らして、大丈夫ですからという表情を浮かべて、慌てて通り抜けた。

改札口の右方向に、お手洗いを見つけたので、そっちへ向かった。

電車が来るまで、少し休憩しようと思ったからだ。

体を引きずるようにして、個室の中へ入った。

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