
山岸君と照井君
第34章 結婚式―――……
「―――…あぁ…キスをしてきた…
つ〜か…無理やりキスをされた」
女にも襲われる程の魅力がある人だ…
酒を飲んだ時のこの人を見たら…
誰でも襲いたくなるだろ…
「――…リップグロス…唇に着いてますよ?」
「あっそ――――――…」
ぶっきらぼうに…唇のグロスを指で確認する…
「―――――…取って…」
ワガママ…甘えた命令…
ズキン―――――…痛い…
俺は…
これがあるから…大丈夫…
なのに…やっぱり…恋心を殺しても…
ゾンビのように……何度も…這い上がって…
感情を食らい尽くす……
「―――…今、ティッシュを――――――「キスして…取れよ……」
「―――――…ぇ…」
「聞こえませんか?
相変わらずの駄犬ですね…ここで待ってないだけでも…腹が立っているんです…俺は―――…
グロスを…その舌で…唇で取り除けと……いっているんですよ?」
え――――…いつもは…
敬語なしの…命令口調なのに…
え?怒ってる?敬語混じりの命令……?
な…何で―――――――…
