
山岸君と照井君
第34章 結婚式―――……
「お?賑やかにやってるな…って…岳心さん…何を吠えているんですか?」
「うるさい!!黙れ、駄犬!」
岳心さんは、コーヒーを入れて入ってきた米屋に間髪いれずにキツイ一言を浴びせる―――――…が…
米屋はニコニコしながら、カウンターにコーヒーを置く…
この三年で…米屋は岳心さんの嫌味や罵声に…完全に慣れてしまったのか…
微笑みすら…浮かべる…
米屋……
駄犬って言われてんのかよ…
「駄犬とは…失礼ですね…
私は、忠犬のつもりなんですが…」
忠犬って……
結局―――…犬じゃね〜か…
岳心さんは、米屋を睨み付け…
響かない態度にフン!っと、子供じみた不快の切り替えを見せる……
「――――…これ、雷心兄さんから」
…苑心の手紙が―――…ヒョイッと渡される…
ドキン…!!と…して…
フワッと…気持ちが軽くなる…
「いつも…ありがとうございます」
何故か…
遠回りで来る苑心の手紙…
一年前に……二年分の大量の手紙を渡された時は…
感動して……
涙が止まらなかった―――…
寝ないで…二日に分けて読んでも…まだ…読み終わらず…
三日目の徹夜をしようとして…
姉ちゃんに怒られたのを…
今でも思い出す…
