山岸君と照井君
第29章 沈む心―――……
『雷心さん――――…
俺は…苑心を待ち続けます…
貴方が認めて……苑心が俺の前に現れるのを――――…
信じて…待ちます―――…』
雷心兄さんの…呆れたようなため息を…背中に感じる―――――…
「いいだろう…
俺を…“愛”とか“想い”で説得してみろ――――…
ま…精々…頼りにならない物にしがみついて…無駄な時間を過ごさない事を祈るがな―――――…」
雷心兄さんは、鼻で俺たちの事を笑った――――――…
僕たちが…お互いを想い続ける保証はない…
でも―――――…
僕は…信じられた――――…
ドアの向こうで…
八重歯を見せて笑っている宏樹を…
「宏樹―――…ありがとう…
宏樹―――…僕も…
宏樹を想い愛し続けるよ…
そして……
未来で笑い会おう――――…」
ドアを手で触れると…
一瞬…暖かく感じた―――…
宏樹がいる――――――…
宏樹が…そこにいる…
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