
山岸君と照井君
第29章 沈む心―――……
「――――…なら…証明しろ…
留学し、日本に帰ってくるまで―――――…
照井君とは一切連絡を取り合わない。
連絡が来ても…苑心、お前からは返事は一切しない……
それでも……愛を持ち続けられるか?
相手も…今と同じ気持ちでいられるか?
お前たちの【愛】の熱は…消えないのか…俺に見せてみろ……」
「――――――…兄さん…」
雷心兄さんの…無茶苦茶な提案を飲むか――――――…
迷う――――…
不安で……身体が震える…
『その条件――――――…
飲みます――――――…』
病室のドアの向こうから……
力強い声が響いた!!
「……宏樹?宏樹!?」
僕は、持っていた写真を放り投げ…
ベッドから…飛び出し!!ドアに向かう!!
「宏樹!!宏樹、無事だったんだね!大丈夫?!!
ごめん、ごめん!!僕のせいで―――――――『開けるな!!』
ドアを開けようとした僕は…
宏樹の…言葉に身体を硬直させる!!
「な…何で……」
『俺たちは…今…試されてるんだ……
聞いてた―――――…
留学の話しも――…
雷心さんの……お前に対する考えも…
それに立ち向かった苑心の強い意志も…』
