
山岸君と照井君
第27章 曇天の入口―――……
――――――――――…
【山岸side】
「!!宏樹!!」
玄関を開けて直ぐに――――…
宏樹は、崩れた!!
一瞬何が起こったか…
解らなかった…
僕は、スマホを投げ!!
宏樹を抱き上げようと駆け寄る!
「宏樹―――!?」
「え…ん……逃げ…ろ」
宏樹は、玄関を押さえるように倒れ……
僕を突き飛ばす!!
「宏樹!血…血が!!頭から…」
宏樹は…ヨロヨロと玄関にうずくまるが…
背中をドアに押し付け…
玄関を…物凄い勢いで叩く人物を入れないように塞いでいる!!
「宏樹!宏樹!!」
ドアは…強く押され!!宏樹を今にでも…押しやる勢いだった!!
鍵をかけたくても!!絶えず、ドアを開け様と隙間があく!!
「――――苑君…開けて、開けて!開けて!!
私だ……君の…唯一の理解者…恋人だろ?―――――…」
僕は…玄関で…宏樹を助け様と一緒に扉を押さえる!!
隙を見て!!鍵をかけないと!
と、鍵をしようと…手を伸ばすと!
隙間が一瞬広がり!
手が伸びて来て!!僕の手首を掴んだ!!
「ひっ!!麟太郎さん!離して!!
恋人ってなに!!麟太郎さん!やだ!!離せ!!」
僕は、腕を捕まれ!!パニックになった!!
「苑心!!離せ―!!」
「宏樹!!」
僕を助け様と!!宏樹がドアから離れた瞬間、妨害していた圧力が弱まり…
麟太郎さんが…勢いよく玄関を…突破してしまった!!
「苑心―――!!逃げろ!」
