
山岸君と照井君
第27章 曇天の入口―――……
宏樹は、目に血が入っていたが!!僕を…麟太郎さんから引き剥がすと!!
麟太郎さんを押さえ込んだ!!
「宏樹!!」
玄関の床に飛ばされた僕は…
二人のもみ合う姿を…後退りしながら……震えることしか出来なかった!
「苑君…苑君――――…
私の苑君…君を…育てたのは…私だよ…
君を理解して…暖めたのは私だよ…こんな男に惑わされるな…苑君…は私のものだよ…
ほら、メガネかけて…
メガネが似合う世界一の少年…さぁ…メガネを―――…」
「苑心!!聞くな!逃げろ!!逃げてくれ!!警察に!!」
宏樹が麟太郎さんを僕に近づけさせないように!必死に食い止める!!
「こ…怖い…麟太郎さん…怖い……嫌だ!!」
麟太郎さんの目は…瞳孔が開いているのか…
鈍い光を放っていた!!
