
山岸君と照井君
第26章 氷背―――……
―――――――…
「はい!止め!!」
ストップウォッチで時間を止めた苑心は、俺のテストを回収し始めた…
「ん〜〜〜〜〜!!疲れた!」
苑心は、「お疲れ」と…赤ペンで採点をし始める―――…
「ふっ…赤ペンとか…
マジで先生みたいだな……
なんか…いいなぁ…赤ペンもつ苑心は…カッコいいかもな…」
苑心の顔を覗きこみながら…
少し未来を…想像する…
「///先生かぁ〜…
いいかもね…僕…先生になろうかな?」
苑心が…丸をつけながら…
俺の…他愛もない白黒の未来像に…
赤ペンで…色を入れた―――…
「///苑心が…先生…目指すなら…
俺も――――…
先生…目指してようかな…
小学生とかは…ピアノ引けないから無理だけど…
高校なら……俺たち…似合うかもよ…
俺が、理数系で――――…
苑心が、文化系――――…」
苑心の―――――…
丸をつけるスピードが落ちて…
俺を見つめる―――――…
