
山岸君と照井君
第26章 氷背―――……
「―――…コンタクトの調子も聞きたいし…
俺が、苑心にそれとなく聞いてみます…
この…写真の差出人も―――…
なんとなく検討がついてますし…」
岳心の言葉に、雷心が反応する!!
「――…犯人がわかっているなら…上手く処理しろよ」
そんな兄を、流すような目付きで見つめた岳心は…クスッと笑った…
「―――……可愛い弟が心配だがら?
それとも―――――…
こんな事が表にでたら…病院のイメージが悪くなるから?」
岳心は、写真をヒラつかせながら…
父親と兄貴の目を交互に見る…
「―――――…後者に決まっているだろ」
父親が…
ゴミを見るように写真を睨む…
「―――…事実なら…でしょ?」
岳心は、父親と同じ考えの兄貴の横を素通りし……
医院長室を出ていく……
「岳心!くれぐれも…」
「ああ、母さんとお祖父様には知らせないよ…
ただの…嫌がらせだと思うしね…」
岳心は…後ろ手でドアを閉めた――――――…
