
山岸君と照井君
第21章 血の繋がる他人―――…
「―――…ふ〜ん…
だと…思ったよ――――…」
岳心兄さんは、僕の目からリトマス試験紙を引き抜くと…
カルテに記入し…
目を保護する目薬を…射してくれた…
「///岳心…兄さん?」
「―――…父さんには、俺から米屋君の事は伝えとく…
家庭教師が無理なら…塾に行く方向で考えろ―――…
何もしない訳にはいかないだろ?
成績は落とせないんだから…
解ったか――――――…」
僕は、何も言っていないのに…
岳心兄さんには解ったのだろうか…
「///…あ……うん…頼みます」
って事は…
父さんに会わなくても良いってことだ!!
良かった〜!!
僕が直接言うより…岳心兄さんが言ってくれた方が聞いてくれるだろうし…
助かった―――――…
「あ――――…お祖父様…体調崩して…入院してるけど…
会っていけば?顔ぐらい出さないと…顔忘れられちゃうよ?
父さんと雷心兄さんは…経営の件で忙しいし…
じいさんの生き死にで後継者とか…遺産とか…めんどくさくなりそうだからな…
ま…茅の外の苑心には、無縁の話しだけどね…」
