
山岸君と照井君
第21章 血の繋がる他人―――…
「勉強が友達だった苑心に…友達って――――…
俺は興味があったけど……
雷心(ライシン)兄さんや…父さんは…相変わらず――――…
興味ないみたいだったよ…」
ガタッ…と…見事に…動揺している…
僕は…手に力を入れて…拳を握る…
……聞きたくない…のに…
岳心兄さんは…僕の不快な部分や…不安な部分を…
オーケストラの指揮者が持つタクトで操る様に突いてくる…
「苑心…動かないで…
涙の量―――――…計れないから…」
「///ぐっ―――――…」
岳心兄さんは、ニヤニヤしながら…僕を観察する…
「で――――…米屋君は…
苑心に…何をしたの?」
「――――――///!!」
僕は…リトマス試験紙を目にいれたまま…
血の気が引くのがわかった…
目を見開き……
下唇を…きつく噛む―――…
“バカ正直に言わなくてもいいんだからな…”
宏樹の言葉が…
頭の中を駆け巡る――――…
「あっ――…ぁ…えっと…」
