
山岸君と照井君
第20章 恥ずかしがり屋――…
一応…わかる範囲で家中の戸締まりをし電気を消して部屋に戻る―――――…
戻る際…
階段の途中で…振り返ってみた…
そこには…廊下やリビング…玄関が……
暗闇に埋もれていた――…
人の気配を感じない…
生活音のしない……家…
ここは…本当に…
家族で暮らすために建てた家なのだろうか…?
二階にいる…苑心は…
毎夜……この無音の…家で…
何を思い――――――…
寝て―――――――…
朝…
目覚めていたのだろうか…
「苑心…
この家は――――…寒いな」
俺は…苑心のいる部屋に足を進めた――――…
