
山岸君と照井君
第18章 正直な体―――……。
「ん?ど〜言う意味かな?
授業には出ていたのに…ノートを取らず…
まさか…居眠り?苑君?」
その冷たい視線は、僕をグサグサと突き刺し…責める…
「あっ!!居眠りなんてしてない!!ただ―――…」
「“ただ?”なんだい?苑君?」
「ただ……考え事を―――」
僕は、その考え事が頭を過り…
顔が赤く…
熱くなるのが…わかる…
「“考え事”?
授業中に…考え事をしていて…ノートを取ってない?授業を聞いていなかったのだって言うのかい?」
僕は、
緊張しながら…うなずく…
「で――――――――…
何を考えていたんだい?苑君?」
ゾクっ――――――っとした…
怒ってる…麟太郎さんが…
雇われの家庭教師…だ…僕の成績次第では…解雇もありえる…
彼の…家庭教師協会には…多額の寄付もしている…
彼にとっては…死活問題…
