
【S】―エス―01
第6章 我が目に棲む闇
襟元に黒い細めのリボンがついた白いブラウスと茶色いハーフパンツ、黒っぽいソックスを履いた刹那は頬を紅潮させ嬉しそうに笑っている。
何故こうなったのか。それは、ほんの10分前のこと――。
廊下を手探り、壁づたいにふらふらと人の気配を求める刹那。
その前に、部屋の場所を示すかの如くドアの端から差す明かりとそこから漏れる複数の声が届く。
刹那は小首を傾げ、それでも引き寄せられるかのように明かりの方へと歩を進める。
「ですが……!」
あまり高くはないが、声質からして1人は女。もう1人は――
「……これは決定事項だ」
低く落ち着きのある声。――男だ。
(いったいなんの話だろう?)
もっとよく話を聞こうとドアに体を密着させ耳を傾ける。
「――!」
部屋の内側からドアが開き、避けようとした為にぐらりと後方へバランスを崩す。
ドアの前では、白衣を着て眼鏡をかけた30代くらいの女が驚いた様子で刹那を見下ろしていた。
明るく切り取られた部屋の奥には、同じく白衣を着た黒髪の男の姿が。
何故こうなったのか。それは、ほんの10分前のこと――。
廊下を手探り、壁づたいにふらふらと人の気配を求める刹那。
その前に、部屋の場所を示すかの如くドアの端から差す明かりとそこから漏れる複数の声が届く。
刹那は小首を傾げ、それでも引き寄せられるかのように明かりの方へと歩を進める。
「ですが……!」
あまり高くはないが、声質からして1人は女。もう1人は――
「……これは決定事項だ」
低く落ち着きのある声。――男だ。
(いったいなんの話だろう?)
もっとよく話を聞こうとドアに体を密着させ耳を傾ける。
「――!」
部屋の内側からドアが開き、避けようとした為にぐらりと後方へバランスを崩す。
ドアの前では、白衣を着て眼鏡をかけた30代くらいの女が驚いた様子で刹那を見下ろしていた。
明るく切り取られた部屋の奥には、同じく白衣を着た黒髪の男の姿が。
