
【S】―エス―01
第36章 決行
◇2
――12日、午前9時02分。
ネッカーシュタイナハの街を後にした瞬矢たち3人は、渓谷沿いの道を車でシャーデック城に向けひた走る。
窓を開けると渓谷に吹くさらりとした風が車内に入り込み、3人の髪を心地よく棚引かせた。
空は心地よいくらいに晴れており、眼下に流れるネッカー川の水面に木々を湛えその姿を映す。
――約15分後。
「どうやって侵入するんだ?」
道路脇に車を停め、車外へ出たところで瞬矢は問う。すぐ側には鬱蒼とした木々が生い茂っていた。
「まさか、正面から強行突破とか言わないよね!?」
間髪入れず、茜がその顔に似合わぬとんでもない発言を繰り出す。
「まぁ、それも悪くないけどね」
くすくすと冗談っぽく刹那が笑う。そして車内から紙片を取り出し広げる。
この周辺の地図らしきそれを指で示し言った。
「ここ。城内部と地下通路へ続く入り口があって、そこから行ける」
しかし説明どおりに行くと、山道を登らなければならなかった。瞬矢はちらと茜を見やる。
――12日、午前9時02分。
ネッカーシュタイナハの街を後にした瞬矢たち3人は、渓谷沿いの道を車でシャーデック城に向けひた走る。
窓を開けると渓谷に吹くさらりとした風が車内に入り込み、3人の髪を心地よく棚引かせた。
空は心地よいくらいに晴れており、眼下に流れるネッカー川の水面に木々を湛えその姿を映す。
――約15分後。
「どうやって侵入するんだ?」
道路脇に車を停め、車外へ出たところで瞬矢は問う。すぐ側には鬱蒼とした木々が生い茂っていた。
「まさか、正面から強行突破とか言わないよね!?」
間髪入れず、茜がその顔に似合わぬとんでもない発言を繰り出す。
「まぁ、それも悪くないけどね」
くすくすと冗談っぽく刹那が笑う。そして車内から紙片を取り出し広げる。
この周辺の地図らしきそれを指で示し言った。
「ここ。城内部と地下通路へ続く入り口があって、そこから行ける」
しかし説明どおりに行くと、山道を登らなければならなかった。瞬矢はちらと茜を見やる。
