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箱……肆

第2章 沈む箱


だが―――――…



妻の症状は…良くなるどころか…




悪くなっていく一方だった…




定年した私のお弁当を作っていたり…


嫁に行った娘が…

小学校から帰ってきたら食べさせると…おやつを準備したり…



記憶と行動が…不自然に入れ替わり…



毎日…今ではない…過去を生きているみたいだった…





俺はそんな妻を……心配しつつも…



いつかは、元に戻ると―――…



高をくくっていた…





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